土を平たくならしただけのように見えたその場所を指差し先生が言う。
毎朝水をあげるといい。そのうち花が咲くよ。
ほんとうかしら、でも先生が言うならきっとそうなのだ。不思議な気持ちで水をやった。雨の日も如雨露を片手に飛び出そうとしたら止められた。十分土が濡れるからいらないのだそうだ。
ある日芽が出た。小さい芽だ。
風に吹き飛ばされそうで、野犬に潰されてしまいそうで、心配で度々覗きにいった。朝露の重さにも負けてしまうんじゃないかと思うくらい、その緑は柔く、新しい命の色をしていたのだ。
不安そうな私に先生は言う。
土を平たくならしただけのように見えたその場所を指差し先生が言う。
毎朝水をあげるといい。そのうち花が咲くよ。
ほんとうかしら、でも先生が言うならきっとそうなのだ。不思議な気持ちで水をやった。雨の日も如雨露を片手に飛び出そうとしたら止められた。十分土が濡れるからいらないのだそうだ。
ある日芽が出た。小さい芽だ。
風に吹き飛ばされそうで、野犬に潰されてしまいそうで、心配で度々覗きにいった。朝露の重さにも負けてしまうんじゃないかと思うくらい、その緑は柔く、新しい命の色をしていたのだ。
不安そうな私に先生は言う。