小春日和@読書垢
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読書垢。村上春樹さんの作品が好きです。人生の小春日和に窓辺でまったり。晴走🚵‍♂雨読📖とコーヒー☕のある日常
伊吹有喜さんの『彼方の友へ』
#読了
戦前の東京。波津子こと佐倉ハツは大好きな少女雑誌『乙女の友』の編集部で働くことに。
主筆の有賀憲一郎、画家の長谷川純司に会えた喜びも束の間、有賀から厳しい言葉が。
表現の自由が抑圧される「暗い時代」の中、出版人の心意気が生き生きと描かれています。
本作はフィクションですが、実業之日本社(本書の出版社)が出していた『少女の友』(1908〜1955年)がモデルですね。
November 27, 2025 at 10:35 PM
柄谷行人さんの『帝国の構造』
#読了
ペルシア、ローマ帝国、唐、モンゴル帝国、オスマン帝国などには多民族を包摂する「帝国の原理」があり、近代の国民国家間の軋轢を解消するヒントがあると。
重要なのは「帝国」と「帝国主義」を混同しないこと。そして日本は支配者としても被支配者としても「帝国の原理」の経験値がなく、排他的で不寛容になりがちなこと。
佐藤優氏との対談も勉強になります。
November 25, 2025 at 4:57 AM
『別冊 暮しの手帖 あの人の読書案内』
「暮しの手帖」は、私がこどもの頃、母がよく読んでいました。
電気製品を使う人の目線で検証する記事が面白くて、私も好きでした。
本別冊も、とても丁寧に作り込まれている感じがします。
紹介者の本棚の写真(書名リスト付)がなかなか興味深いです📚️
November 6, 2025 at 1:20 PM
中脇初枝さんの『伝言』 #読了
太平洋戦争中、満州「国」の「首都」新京の名門女学校に通う ひろみ は軍の機密作業に動員されが、自分がいったい何を作っているのか分からない。
日本は、私は、夕日が地平線に沈むこの地で何をしているのだろう?
やがて一人ひとりが静かに語り出し、伝え始める。
November 2, 2025 at 11:31 AM
坂木司さんの『楽園ジューシー』
#読了
『ホテルジューシー』の「姉弟」本。
大学生ザッくんが那覇の裏路地にあるホテルでのバイトを通じて成長するお話しですが、ほろ苦テイスト。
「楽園」だと思っているその場所は
本当に私を幸せにしてくれるのか。
そもそも「青い鳥」は実際にいるのだろうか。
解説は恒川光太郎さんです。
October 29, 2025 at 6:59 AM
池上嘉彦さんの『記号論への招待』 #読了
人間にとって最も「典型的」な記号である「言語」を中心に、その構造や機能、文化的な営みとの関係などを教えてくれます。
実用的機能(メッセージの伝達)と美的機能(メッセージそれ自身への志向)の違い、コード化とそこからの逸脱、「比喩」が持つ意味などには、村上春樹さんの小説が好きな人⇔読めない人の違いを説明する鍵がありそうです🤔?
October 27, 2025 at 1:29 PM
村上春樹 著 安西水丸 絵『午後の最後の芝生』 #読了
『中国行きのスロウ・ボート』収録作品。
「僕」が芝刈りのアルバイトをしていた会社は、私が生まれた小田急線沿線の町にあった。
彼が丁寧に芝生を刈っていた頃、私はおそらく小学生で、父親の転勤でその町には住んでいなかったけれど。
October 25, 2025 at 2:22 AM
伊坂幸太郎さんの『楽園の楽園』
#読了
う〜む
始めは登場人物の名前から『西遊記』との繋がりを予想した。
次にはジェイムズ・ヒルトンの『失われた地平線』へのオマージュかと思った。
しかし、それらも私の脳が勝手に作った「物語」でした。
October 20, 2025 at 6:04 AM
吉田篤弘さんの『天使も怪物も眠る夜』 #読了
伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスター』、朝井リョウさんの『死にがいを求めて生きているの』などと同じく螺旋プロジェクトの参加作品。
主題は分断と対立、そして和解への道のり。
複数の登場人物の話がパラレルに進行していて、時間をかけて読んだら誰が何だか分からなくなってしまいました😅 ←一気に読め!
October 19, 2025 at 8:51 AM
Reposted by 小春日和@読書垢
白鳥文庫という名前で一箱古本市に初出店しました。堀江敏幸氏のエッセイや、パレスチナ関連の書籍を手に取ってくださる方が多く、色々とお話できて嬉しかったです☺️また12月に近くで開催されるようなので、参加しようかな
October 18, 2025 at 8:09 AM
こうの史代さんの『ヒジヤマさん 星の音 森のうた』 #読了
短編集です。
ユダヤ人女性で物理学者のリーゼが主人公の「リーゼと原子の森」は、こうの作品としては珍しい設定ですが、ヒロシマに繋がるお話し。
最後の「描く人へ」がとても良いです。「わたしは見つけたのだ あの時 わたしの使命を」
カバーイラストの女性は誰?と思ったら、『第30回 紙屋町シャレオ古本まつり』(2023年10月)のポスターだそうです。
October 18, 2025 at 3:22 AM
浅田彰さんの『構造と力』 #読了
『逃走論』に先立つ本書は、解説の千葉雅也さんによると大部分が近代論であると。
前近代の象徴秩序の中心(神、王、父親)の消失によって近代は始まる。象徴秩序に抑え込まれた過剰なカオスは定期的な祝祭(ハレ)という調整弁で処理されていた。
近代では貨幣が神らに取って代わり、前近代の静的な秩序に対し、動的な(自転車操業的な)終わりのないマラソン社会になった。
そこでは過剰なカオスは日常的に処理され特別な祝祭は不要になったというが果たしてそうだろうか?
ハロウィン等での狂騒を見るとカオスの膨張速度は日々の処理能力を上回ってきているように思える。
October 11, 2025 at 2:21 AM
大沼保昭著 聞き手 江川紹子
『「歴史認識」とは何か』 #読了
「歴史を事実の積み重ねだけで語ることはできない」と言ったのは誰だったかなぁ。
ひとつの出来事(事実)に対して異なる認識、評価が生まれ、そこに激しい感情や思惑が絡み複雑化する。
自虐ではなく、独善でもないもの。
加害者であり、被害者でもある者。
事実そのものを認めないのは「歴史認識」問題以前の問題。
September 25, 2025 at 4:22 AM
今日マチ子さんの『cocoon』 #読了
入手できずにいたけれど、8月に新版が出ました。
史実(沖縄戦での ひめゆり学徒隊)を題材とした、少女サンと友人達の物語。
サイドストーリー「バースデー・ケーキ」が収録されています。
#今日マチ子
#cocoon
September 17, 2025 at 8:55 AM
伊坂幸太郎さんの『シーソーモンスター』 #読了
他人の言う事を鵜呑みにしてはいけない。自分の考えでさえ疑わなければならない。
近代哲学はデカルトの「疑い」から始まった。デカルトは「疑う自分」は疑わなかったが、果たしてそうか?
小説は虚構である。読み進める為の「当然の前提」にも作家はこっそり嘘を忍ばせる。読書は作者との対話というより「戦い」である。勝ち負けをジャッジする審判はいないけど。
September 16, 2025 at 3:01 AM
青木理さんの『日本の公安警察』
#読了
「事実は小説より奇なり」。
菅生事件、日本共産党幹部宅盗聴事件、連続企業爆破事件、よど号ハイジャック事件、あさま山荘事件、赤報隊事件、地下鉄サリン事件、警察庁長官狙撃事件 etc.
冤罪、捏造、自作自演、迷宮入り。
最近の事件報道での監視カメラの画像を見れば、私達も撮られているんだなぁと思います。
September 11, 2025 at 4:44 AM
中川李枝子さんの『いやいやえん』
昨年、亡くなられた中川さんのデビュー作。何十年ぶりかで読み返しましたが、こんなに「スリリング」なお話しだったとは。
子供の日常生活に充満するハラハラ・ドキドキ・ワクワクが増幅されていて、読み聞かせの途中で逃げ出しちゃう子もいるかもしれませんね😄
昔読んだ時は、「いたずら好きでワガママな男の子が叱られる話」くらいに思っていましたが、保育園の子供たちの同調圧力?にも屈しない彼が少しカッコ良く見えました。
September 6, 2025 at 1:21 AM
鈴木邦男著『言論の覚悟 最終章』 #読了
鈴木氏は学生時代から右翼の活動家でしたが、左翼の論客や日本国憲法の起草者の一人、ベアテ・シロタ・ゴードンさんらとも交流を持ち、近年の憲法改正の動きを批判しました。
異なる意見にも耳を傾け、「右」か「左」かではなく、人として何が大切かを考えた方でした。
その人脈や関わった活動範囲の広さにはとても驚きました。
September 4, 2025 at 4:49 AM
橋本健二さんの『新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉』 #読了
格差の指標であるジニ係数(0.0:格差なし → 1.0:1人が独占)は、
1980年 0.349 → 2020年 0.570
と急上昇(格差拡大)。
格差の容認どころかその存在さえ認めようとしない人。格差を全て「自己責任」で語ろうとする人。
本書の刊行は今年の6月ですが、今夏の参院選の結果を理解する上で極めて多くのことを教えてくれます。
August 27, 2025 at 5:03 AM
伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』 #読了
正直であること、
真面目であること、
「ごめんなさい」が言えること
そうありたいと思っていることを、言葉にしてもらえるとホッとします。
今の世の中、そうしたことが蔑ろにされることが余りにも多いので。
August 10, 2025 at 7:40 AM
レッシング作 笠原賢介訳『賢者ナータン』 #読了
12世紀末のエルサレム。
イスラムと十字軍の休戦協定で訪れた束の間の平和。
ユダヤ人の富者ナータンの娘を火災から助け出したのは、イスラムのスルタンに助命された十字軍の騎士だった。
スルタンはナータンに問う。
イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の中でいずれが真の宗教か?
「賢者」ナータンは「三つの指輪」の寓意で答えます。
分断と対立が煽られる今、改めて寛容、共生の大切さを思います。
July 28, 2025 at 4:28 AM
竹田青嗣さんの『現代思想の冒険』 #読了 再読
竹田先生のカントやフッサールの解説書を読んだ上で、もう一度読んでみました。少しは理解が進んだかなぁ。
思想(哲学)とは、必要とする人が、いつでも誰でもすぐ手にすることができるものでなければならない。そしてそれは、生活する人間が社会権力の源泉である専門的な〈知〉に対抗しうる唯一の手段であると。
July 26, 2025 at 5:37 AM
クロード・レヴィ=ストロース著 大橋保夫訳『野生の思考』 #読了
半年以上かかって何とか読み終えたけれど、難しくてちゃんと理解できなかった(特に最終章のサルトル批判は全く歯が立たず)。
明確に感じたのは、西洋文明の独善性や、「未開人」への偏見に対する強烈かつ科学的な批判であるということ(こうした偏見、差別観は今の欧米にも残っています)。
「野性」でも「未開」でも「野蛮」でもなく「野生」であること、カバーのパンジーのイラストにも重要な意味があることを大橋先生の解説で知ることができました。
そしてレヴィ=ストロース(構造主義)が抱えたパラドックスを現代思想は乗り越えることができたのでしょうか。
July 13, 2025 at 11:21 PM
瀬尾まいこさんの『夏の体温』 #読了
長期入院している瑛介と二泊三日の検査入院で来た壮太は小学3年生の男の子。一緒に遊べる時間は短いけれどとても輝いていて、瑛介クンの心も元気を取り戻していきます。
瀬尾さんの「あとがきにかえて」には本作が書かれた背景が綴られています。
July 9, 2025 at 10:39 PM