呉樹直己🐢さ41-42
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呉樹直己🐢さ41-42
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writer/vlog artist #政治的なvlog
💉🏳️‍⚧️2022.3~ テスチノンデポー125mg　くれき なおみ
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黒死牟／継国巌勝本　進捗

派手派手トレンディな宇髄天元と一生羽織袴オールドファッションな黒死牟は、柱なのに殺人歴を持つ元職業殺人者であり、鬼滅世界では珍しく弟と最後まで和解しない「不具の兄」であり、意外と共通点が多いんですよね
ポリアモリー表象としての宇髄夫妻についても触れてます
テキストファイルスクショ 　しかし思えば、必要とあらば親兄弟とも骨肉相食み、部下は駒、妻は産む機械と扱い、命は賭けて当然で、矛盾や葛藤を抱える者を弱者とみなす価値観は、戦国時代の一般的な武将の考え方だと思えば特段の違和感はない。宇髄天元は大正時代の、忍という役割が衰退しつつある時世に生まれた。天元の父親が異常に厳格だったのは、「一族が衰退していく焦りから」（単行本10巻　p.156）であった。天元は移りゆく時代の波を乗りこなし、矛盾や葛藤を抱えつつも、新しい人生を掴むことができた。 　一方の継国巌勝は、「自分を形成する幼少期に植え込まれた価値観」を、ついに否定することができなかった。彼が執着した侍というアイデンティティもまた、鬼としての長い生の中で時代とともに変化していったのだが、黒死牟は一貫して刀で闘う武人としての侍／剣士にこだわり続けた。巌勝が人間として生きたのは十五世紀の半ばと推測されるが、ここから大正時代までに、武家の様相はかなり変貌している。まず、戦国時代に続く織豊政権時代（安土桃山時代）の終わりは、武家が恒常的に武人であった時代の終わりでもあった。織豊時代の終わりをいつとするかには諸説があるが、関ヶ原の戦いで徳川家康が勝利した一六〇〇年か、家康が江戸幕府を開いた一六〇三年ごろであるとされている。江戸時代に入ると、大きな戦はなくなり、武士階級の武人としての側面は テキストファイルスクショ 次第に形骸化していく。そして一八五三年、ペリー率いる黒船、すなわちアメリカ合衆国海軍東インド艦隊が浦賀に来航する。ここから江戸は幕末の動乱期に突入し、一八六七年、最後の将軍徳川慶喜が大政奉還をするに至って、武家政権としての江戸幕府は滅亡する。朝廷による王政復古の大号令を経て、時代は明治に突入する。封建社会から近代国家への大転換である。武士階級による反発や武力衝突はあったものの平定され、四民平等政策や廃刀令（一八七六年発布）が浸透するに至って、ここに武士階級は武人としての側面を完全に喪失するのである。 　戦国時代から大正時代までを生きて、黒死牟はこれらの変化を目の当たりにしていたはずである。それでも彼は四百年余、侍であるというアイデンティティを彼なりに信じ続け、長髪羽織袴帯刀の出で立ちを変えることはなかった。これを哀しいとみるか、美しいとみるかは解釈が分かれるところであろう。それに、これらの感慨は両立も可能である。
November 14, 2025 at 7:52 AM
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既刊2冊も持っていきます。

例年通り、障害者手帳割引を実施します（呉樹直己ブースのみの試み）。障害者手帳ユーザーは会計から500円引きです。自己申告制につき手帳提示不要。

試し読み▼
序章と第1章の一部を公開しています。
www.infernalbunny.com/entry/2025/0...
Webカタログ▼
c.bunfree.net/e/gbb
テキストファイルスクショ 序章 第一章　継国巌勝と産屋敷家当主──職業殺人者による、最初ではない殺人としての父殺し 第二章　継国巌勝と妻──国家は嫡男の性を支配する 第三章　鬼舞辻無惨と黒死牟、継国巌勝と継国縁壱──ヤングケアラーの記憶 第四章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼化と第二次性徴。あるいは炭治郎に並ぶ「ケアする長男」による、描かれなかったもう一つのケアワーク 第五章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼というユートピアとネオリベラリズム 第六章　鬼舞辻無惨と黒死牟──嫡男の身体はトラウマを記録する 第七章　継国巌勝と妻、子──戦国武家のSRHR《性と生殖に関する健康と権利》 第八章　継国巌勝と継国縁壱──自己決定するからだ 第九章　継国巌勝と継国縁壱──嫡男の青春 第十章　鬼舞辻無惨と黒死牟──赤い月夜のあとに テキストファイルスクショ 第十一章　鬼舞辻無惨と黒死牟──身体性の喪失 第十二章　鬼舞辻無惨と黒死牟──ラストサムライ、豊臣氏滅亡を目撃する 第十三章　黒死牟と童磨──もし上弦の壱と上弦の弐が入れ替わりの血戦をしていたら 第十四章　黒死牟と童磨──身体性の回復 第十五章　鬼舞辻無惨と珠世──女鬼という[[rb:境界人 > マージナル・ウーマン]] 第十六章　童磨と胡蝶しのぶ──偶像の初恋 第十七章　継国巌勝と妻、黒死牟と獪岳──愛について　剣鬼のアイデンティティと欲望 第十八章　黒死牟と獪岳──鬼として、地獄を尽きなく生きること 第十九章　継国巌勝と妻──戦国武家のPOTENTIA GAUDENDI《悦びの力》 第二十章　継国巌勝と獪岳、無惨、時透無一郎、妻、縁壱──鬼、そして男というアイデンティティ 終章 終式　月魄最佳
November 13, 2025 at 2:04 PM
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🌙『月魄最佳　鬼滅の刃・黒死牟／継国巌勝批評×クィア男性学エッセイ×二次創作小説集』

鬼滅の刃の鬼・黒死牟を、批評的言語と二次創作的想像を横断して語り尽くす28万字

2025年11月23日（日） #文学フリマ東京 41
【さ41-42】にて販売

予定価格2000円・障害者割あり
デザイン @kanipepsi.bsky.social
同人誌　げっぱくさいか　表紙 裏表紙 テキストファイルスクショ 仮に黒死牟が死亡したのが一九一七年だとして、わたしがこれを書いているのが二〇二五年十一月。現時点で継国巌勝は、阿鼻地獄ですでに百年以上を過ごしているのである。しかし阿鼻地獄の刑期は、諸説あるが一説には実に三四九京二四一三兆四四〇〇億年。八大地獄のほかの地獄だったとしても、刑期が一兆年を下回るものはない。 　ちなみに天文学の理論計算によると、太陽の寿命はあと五十億年と言われている。五十億年後には水素の熱核融合が停止し、日輪はその輝きを失う。つまり、月を宿した鬼が罪を漱いで再び現世に立ち現われることがあるとすればそこは、彼が生涯をかけて愛し憎んだ太陽がとうに失われた世界なのである。 　しかし当然、太陽なき世界では月も地球も失われている。継国巌勝が次に見るこの世は、今私たちが見ているものとはまったく異なる世界なのである。 　それはいったいどのような世界か？ 　そこに家父長制はあるか。 　国家は今も家族と共謀しているか。 　性とケアを国家が支配しつつ、実務においては家庭に占有させる構造はあるか。 　女に生まれた者を虐げ、その表裏一体の地獄として男に生まれた者をも蝕んだ非情の理はあるか。 　人を鬼ならしめる社会の沈黙はあるのか。 　SF的想像力に乏しいわたしには想像もつかない。 ※実物は縦書きです
November 13, 2025 at 2:04 PM
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眠たいイエネコ
キジ白猫
November 12, 2025 at 12:30 PM
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黒死牟／継国巌勝本　進捗

女女ロマンス映画のパンチラインを、強者の男鬼同士のnot ロマンスな主従関係に引用するのはあまりよろしくないが、それでも言いたい、黒死牟にとって無惨は “私の人生を壊しに来た私の救世主” であると……
テキストファイルスクショ 無惨は配下の鬼の思考を読む能力を持っている。無惨の前では、鬼はプライバシーを完全に失う。当然これは、多くの鬼にとっては不快であり恐怖でしかない。健常な感性においてはそうであろう。しかし黒死牟はなんと、「腹の中を探られても黒死牟は気にならなかった。無惨を裏切るつもりは一切無かったし、むしろ、感情を隠して取り繕わなくてもいいからと気が楽になった」（公式ファンブック弐　p.145）のである。よほど抑圧された人生を送っていないとこうはならない。巌勝の人間時代の苦悩を如実に示すくだりである。本心を吐露する機会を持たずに忍耐一途で生きてきた黒死牟は今や、上位存在にプライバシーを強引に剥奪されることでしか安らげなくなってしまったのた。そんな黒死牟と、血を分けた鬼を自分の所有物同然に捉える傲慢な無惨は、ここにおいて奇跡的に噛み合って、二人は四百年余続く強固な信頼関係を築くに至るのである。事実上無惨は巌勝の人生を破壊しているが、同時に、無惨だけが与えられる究極の癒し・赦しも与えて、 テキストファイルスクショ 巌勝の心を解放した。まさに「私の人生を壊しにきた救世主」なのだ。「私の人生を壊しに来た私の救世主（나의 인생을 망치러 온 나의 구원자）」とは、韓国映画『お嬢さん』（2016）の名台詞である。『お嬢さん』は女性同士の（肉体関係を伴う）ロマンスを明確に描いたクィア映画であり、この台詞は韓国において「女性にとってフェミニズムとはなにか」を説明する言葉としても使われている。強者である男鬼同士の、ロマンスではない絆を説明するのに使うのは文化の盗用の感が否めないが、巌勝にとっての無惨を表すのにこれ以上の言葉はない（追記1）と思われるので、ここに引用する。フェミニズムが女性にとってただの福音ではなく、人生を破壊する側面も持つのは、第五章で検討した、黒死牟のフェミニズム的達成と彼個人の幸福の一筋縄ではいかない関係を連想させる。
November 12, 2025 at 9:37 AM
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黒死牟／継国巌勝本　進捗

継国巌勝という逆三四郎、逆ビルドゥングスロマン
テキストファイルスクショ 日本においてもビルドゥングスロマンは、封建時代の終焉による社会的流動性の高まりと、儒教・仏教の影響力低下による人間形成の概念の世俗化という、二つの条件によって要請され発展した（註1）。封建時代の身分制社会においては、人々の人生の進路は生まれの家によって決定されており、自分で進路を開拓する必要はなかった。しかし明治以降の近代社会では、ある程度の社会的流動性が実現したことにより、若者たちは多様な生き方の中から自分で自分の道を切り開く必要に駆られたのである。福沢諭吉は、近代日本のこのような様相を「腕前の世」と表現している。 　封建世禄せいろくの世において、家の次男三男に生れたる者は、別に立身の道を得ず。あるいは他の不幸にして男児なき家あれば、養子の所望を待ちてその家を相続し、はじめて一家の主人たるべし。（中略） 　世禄の武家にしてかくの如くなれば、その風ふうはおのずから他種族にも波及し、士農工商、ともに家を重んじて、権力はもっぱら長男に帰し、長少の序も紊みだれざるが如くに見えしものが、近年にいたりてはいわゆる腕前の世となり、才力さえあれば立身出世勝手次第にして、長兄愚にして貧なれば、阿弟あていの智にして富貴なる者に軽侮せられざるをえず。 ──『徳育如何』福沢諭吉、1882年（明治15年）、青 テキストファイルスクショ 青空文庫より引用 　また、儒教と仏教の影響力が強い時代においては、人格形成も教義に従っていれば自然となされたが、明治以降は、個人の奮闘が重視されるようになる。ビルドゥングスロマンは、新階級のアイデンティティ・クライシスに応じて要請され、若者たちにオリエンテーションを提供したのである。 　継国巌勝は、封建時代ど真ん中の人間でありながら、生まれの家と地位を捨てて浪人者となり、鬼狩りの月柱という新しいアイデンティティを自力で掴んでいる。現実の戦国時代では難しい、まさしくフィクションならではの立身である。鬼殺隊は、鬼殺しの技量のみで生死と地位が決定される、まさしく「腕前の世」である。巌勝はビルドゥングスロマンを四百年先んじていたのだ。 　第一章の二次創作においてわたしは巌勝に、「鬼狩りとしてあれた五年の月日は、わが人生の春でございました」と語らせた。継国家で息苦しく、あるいは物足りなく過ごしていた剣鬼にとって、一途に刀を振って強くなることのみに邁進しても許されて、ついでに人命救助の誉れと給金までついてくる場は、喜ばしく尊いものであっただろうとわたしは想像する。縁壱の隣にいることで怨毒に灼かれる苦しみを超えてなお、喜びを感じさせるほどに。 テキストファイルスクショ 本章の二次創作では、継国巌勝は二十一歳と想定した。世が世なら四年制大学生の三男で、バイトきちぃ一限ダリぃとか言いながら飲みサーで一女に粉かけてるような年ごろである。しかし二十一歳の巌勝は大学生ではなくすでに二児の父であり、この青春と引き換えに妻子を泣かせている。しかし若さとは、青春とは、元来身勝手なものなのだ。 　そして、鬼殺隊の世界以上に「腕前の世」なのが鬼の世界である。痣を発現した巌勝は、生まれの家を離れても人間である限りはついて回る、寿命という最大のしがらみに立ちはだかられる。ここにおいて鬼化するという選択は、いわば青春の延長である。巌勝は青春と引き換えに人倫を捨て、那由他の罪を重ねる汚辱の生を自ら選んだのである。泣かせたのは、今度は妻子だけに留まらない。弟と同僚たちと、四百年以上もの間に殺害してきた膨大な人命の家族友人たちをこの上なく嘆かせている。青春の身勝手で済ませるにはあまりにも重い罪であるが、これが巌勝青年の選んだ進路開拓だったのである。 　青春の延長として選んだ先の生が、青春的煌めきとはかけ離れた、感情が摩耗していくような空虚さを内包したものであったのは皮肉である。黒死牟と化した巌勝は、強くなりたいという欲望に役立つ心性のみを育てて、ほか一切の精神的成長を停止して
November 12, 2025 at 6:01 AM
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はい！ わたしはほぼ19巻の終わりから20巻にかけてしか活躍しない敵キャラ1人について23万字書きました！
XのフォロワーさんからのDMのスクショ ２３万字！？23万字？申し訳ないが、爆笑している、23万字！？
November 9, 2025 at 8:47 AM
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2025年8月　鬼滅再読
2025年9月　執筆開始
2025年11月現在　23万字を突破
鬼滅の刃20巻のアマゾン購入履歴スクショ。2025年8月11日購入
November 8, 2025 at 12:16 PM
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20%割引のさんまを焼いた。今年のさんまは去年より脂が乗ってて美味しい気がする
焼きさんま
November 7, 2025 at 4:05 PM
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日の呼吸を超えようとした継国巌勝のほうがもっと心身の限界を超えて努力してたから、わたしもせめて1カ月ちょっとで20万字書くくらいのことはしなきゃいけないんだよね
ミクシーツーの鍵フォロワーさんの投稿スクショ 呉樹さんの速度（より一般に今回の呉樹さんのような速度）、「おお…」とも「ああ…」とも思う 体とか心とか、そういうのを超えた別の限界を超えてるんではと思う。労いや感嘆の比喩ではなく、ほぼ物理的な風圧を感じる。（週刊誌の漫画家からも同じものを感じる。）
November 7, 2025 at 3:13 PM
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新刊の価格は1500円か2000円を予定しています。
既刊2冊も持っていきます。

例年通り、障害者割引を実施します（文フリ公式とは無関係の、呉樹直己ブースのみの措置）。障害者手帳ユーザーは会計から500円引きです。性善説運用の自己申告制とし、手帳の提示は不要です。会計時に申し出てください。
テキストファイルスクショ 序文 継国氏之国　領主 産屋敷家当主指揮下　鬼殺隊　月柱 鬼舞辻無惨指揮下　十二鬼月　上弦之壱 父 夫 長男 兄 侍　そして剣士であった 継国巌勝氏に捧げる テキストファイルスクショ 序章 第一章　継国巌勝と産屋敷家当主──職業殺人者による、最初ではない殺人としての父殺し 第二章　継国巌勝と妻──国家は嫡男の性を支配する 第三章　鬼舞辻無惨と黒死牟、継国巌勝と継国縁壱──ヤングケアラーの記憶 第四章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼化と第二次性徴。あるいは炭治郎に並ぶ「ケアする長男」による、描かれなかったもう一つのケアワーク 第五章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼というユートピアとネオリベラリズム 第六章　鬼舞辻無惨と黒死牟──嫡男の身体はトラウマを記録する 第七章　継国巌勝と妻、子──戦国武家のSRHR《性と生殖に関する健康と権利》 第八章　継国巌勝と継国縁壱──自己決定するからだ 第九章　継国巌勝と継国縁壱──嫡男の青春 第十章　鬼舞辻無惨と黒死牟──赤い月夜のあとに 第十一章　鬼舞辻無惨と黒死牟──身体性の喪失 第十二章　鬼舞辻無惨と黒死牟──ラストサムライ、豊臣氏滅亡を目撃する 第十三章　黒死牟と童磨──もし上弦の壱と上弦の弐が入れ替わりの血戦をしていたら 第十四章　黒死牟と童磨──身体性の回復 第十五章　鬼舞辻無惨と珠世──女鬼という[[rb:境界人 > マージナル・ウーマン]] 第十六章　童磨と胡蝶しのぶ──偶像の初恋 第十七章　継国巌勝と妻、黒死牟と獪岳──愛について　剣鬼のアイデンティティと欲望 第十八章　黒死牟と獪岳──鬼として、地獄を尽きなく生きること 第十九章　継国巌勝と妻──戦国武家のPOTENTIA GAUDENDI《悦びの力》 第二十章　継国巌勝と獪岳、無惨、時透無一郎、妻、縁壱──鬼、そして男というアイデンティティ 終章 終式　月魄最佳
November 7, 2025 at 2:58 PM
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「論」ですらないしな
「論」に「イケボ柱」なんていう言葉を出してはいけません
テキストファイルスクショ 『鬼滅の刃』アニメ版においては、大正時代の産屋敷家第九十七代当主・産屋敷輝哉のキャラクターボイスを担当する声優は森川智之としゆきである。『ジョジョの奇妙な冒険』においては吉良吉影、『FINAL FANTASY VII』においてはセフィロスなど、かっこいいアニメのかっこいい男性メインキャラクターや、ハリウッド映画の二枚目スターの吹き替えを数多く担当している大ベテラン声優だ。ボーイズラブ作品への出演も多く、「帝王」の異名を持つ。文句なしに、この国で最も「イケボ」な人物の一人だろう。 　産屋敷家当主（以下、イケボ柱と呼ぶ）はそのような声を駆使し、本人は戦闘にまったく従事しないにもかかわらず、子どもたち＝鬼殺隊士の尊敬を集め、癖の強い面子が多い柱すらも心酔させるのである。
November 7, 2025 at 9:14 AM
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いうて3分の2は二次創作小説で、「論」っぽいパートは数万字なので……
ミクシーツーの鍵フォロワーさんの投稿のスクショ 呉樹さんの文フリ新刊、自分の博論を書き上げた場合の文字数の見通しの倍くらいあって震えました
November 7, 2025 at 8:21 AM
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本にしようと決意したのが9月下旬で、そこから19万字書いて、現時点で23万字らしいです
鍵ツイートスクショ ワシが26000字の書き下ろしでヒィヒィ言ってる中で呉樹さんが10数万字を書き下ろしてるの本当に良いんだよな
November 6, 2025 at 11:50 AM
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専門職の友達（鬼滅既読）に、実際の医療現場で行われているトラウマケアの動作について教わり、まぶたや眉を触る動きについて「まぶたが6つある場合はどうすれば……？」「眉にも目がある場合はどうすれば……？」などのクソ質問をしてきた
カフェ
November 2, 2025 at 1:02 PM
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月の呼吸の剣士であり、十二鬼月であり、継国巌勝は月に彩られた生涯を送ります。最初期のフェミニストの一人平塚らいてうが雑誌『青鞜』にて、あまりにも有名な巻頭文 “元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のような蒼白い顔の月である” を発表したのが1911年。“病人のような蒼白い顔の月” といえば鬼舞辻無惨初登場巻の彼の台詞、「私の顔は青白いか？ 病弱に見えるか？ 違う違う違う違う」ですね。新刊の黒死牟／継国巌勝本ではそのような話をしています。締め切りが近づいています（助けてクレメンス）
テキストファイルスクショ 序章 第一章　継国巌勝と産屋敷家当主──職業殺人者による、最初ではない殺人としての父殺し 第二章　継国巌勝と妻──国家は嫡男の性を支配する 第三章　鬼舞辻無惨と黒死牟、継国巌勝と継国縁壱──ヤングケアラーの記憶 第四章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼化と第二次性徴。あるいは炭治郎に並ぶ「ケアする長男」による、描かれなかったもう一つのケアワーク 第五章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼というユートピアとネオリベラリズム 第六章　鬼舞辻無惨と黒死牟──嫡男の身体はトラウマを記録する 第七章　継国巌勝と妻、子──戦国武家のSRHR（性と生殖に関する健康と権利） 第八章　継国巌勝と継国縁壱──自己決定権するからだ 第九章　継国巌勝と継国縁壱──鬼殺隊という青春、鬼という青春 第十章　鬼舞辻無惨と黒死牟──赤い月の夜のあとに テキストファイルスクショ 第十一章　鬼舞辻無惨と黒死牟──身体性の喪失 第十二章　鬼舞辻無惨と黒死牟──ラストサムライ、豊臣氏滅亡を目撃する 第十三章　黒死牟と童磨──もし上弦の壱と上弦の弐が入れ替わりの血戦をしていたら 第十四章　黒死牟と童磨──身体性の回復 第十五章　鬼舞辻無惨と珠世──女鬼という[[rb:境界人 > マージナル・ウーマン]] 第十六章　童磨と胡蝶しのぶ──偶像の初恋 第十七章　継国巌勝と妻、黒死牟と獪岳──愛について　剣鬼のアイデンティティと欲望 第十八章　黒死牟と獪岳──鬼として、地獄を尽きなく生きること 第十九章　継国巌勝と妻──嫡男という名の絶望　病としての夫・父・息子を脱した場所で 第二十章　継国巌勝と獪岳、無惨、時透無一郎、妻、縁壱──鬼、そして男というアイデンティティ 終章 月魄最佳 テキストファイルスクショ 序文 継国氏之国　領主 産屋敷家当主指揮下　鬼殺隊　月柱 鬼舞辻無惨指揮下　十二鬼月　上弦之壱 父 夫 息子 兄 侍　そして剣士であった 継国巌勝氏に捧げる
November 2, 2025 at 11:07 AM
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継国巌勝本　進捗
バカの文字数
テキストファイルスクショ 　 序章 第一章　継国巌勝と産屋敷家当主──職業殺人者による、最初ではない殺人としての父殺し 第二章　継国巌勝と妻──国家は嫡男の性を支配する 第三章　鬼舞辻無惨と黒死牟、継国巌勝と継国縁壱──ヤングケアラーの記憶 第四章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼化と第二次性徴。あるいは炭治郎に並ぶ「ケアする長男」による、描かれなかったもう一つのケアワーク 第五章　鬼舞辻無惨と黒死牟──鬼というユートピアとネオリベラリズム 第六章　鬼舞辻無惨と黒死牟──嫡男の身体はトラウマを記録する 第七章　継国巌勝と妻、子──戦国武家のSRHR（性と生殖に関する健康と権利） 第八章　継国巌勝と継国縁壱──自己決定権するからだ 第九章　継国巌勝と継国縁壱──鬼殺隊という青春、鬼という青春 第十章　鬼舞辻無惨と黒死牟──赤い月の夜のあとに テキストファイルスクショ 第十一章　鬼舞辻無惨と黒死牟──身体性の喪失 第十二章　鬼舞辻無惨と黒死牟──ラストサムライ、豊臣氏滅亡を目撃する 第十三章　黒死牟と童磨──もし上弦の壱と上弦の弐が入れ替わりの血戦をしていたら 第十四章　黒死牟と童磨──身体性の回復 第十五章　鬼舞辻無惨と珠世──女鬼という境界人《マージナル・ウーマン》 第十六章　童磨と胡蝶しのぶ──偶像の初恋 第十七章　継国巌勝と妻、黒死牟と獪岳──愛について　剣鬼のアイデンティティと欲望 第十八章　黒死牟と獪岳──鬼として、地獄を尽きなく生きること 第十九章　継国巌勝と妻──嫡男という名の絶望　病としての夫・父・息子を脱した場所で 第二十章　継国巌勝と獪岳、無惨、時透無一郎、妻、縁壱──鬼、そして男というアイデンティティ 終章 月魄最佳 テキストファイルスクショ 継国氏之国　領主 産屋敷家当主指揮下　鬼殺隊　月柱 鬼舞辻無惨指揮下　十二鬼月　上弦之壱 父 夫 長男 兄 侍　そして剣士であった 継国巌勝氏に捧げる
November 1, 2025 at 5:40 AM
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呉樹の二次創作を先に読んだ人が原作を読むと大抵、妻の出番が本当に少なくて驚くことになる
友達とのラインのスクショ たまたま入ったシーシャ屋に鬼滅全巻置いてあったから生き恥のシーン読んだで！妻が出てくるのマジで4コマだった 生き恥ありがとうございます！
October 27, 2025 at 12:31 PM
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暖房をつけたら
ねこもついてくる
キジ白猫
October 25, 2025 at 10:36 AM
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普通に考えるなら、産屋敷家はお金ならあるんだから、男子の短命の病を治すために現代的な医療にも巨額の投資をしてるだろうけど、私は鬼贔屓なので、「代々神職の家から妻を娶る」以外なんもしてないといいな🎶 と思っている
ピクシブ二次創作小説スクショ 「秘めた思いなど問題ではない。重要なのは行動だ」 　常に行動によっておのが欲望を叶えてきたという自負を持つ始祖の鬼は、きっぱりと言う。 「鬼はなんでもできるのだから、なしたこと、あるいはなさぬと決めたことが、鬼の心だ」 　始祖の鬼の行動力は、その後の四百年も変わることがなかった。のちに大正の世に討伐されるまで、鬼舞辻無惨は太陽の下を歩くという望みを叶えるため、ありとあらゆる医学や薬学や最新鋭の技術を吸収し続けた。それは、宿命的な病に冒されているという点では共通している宿敵・産屋敷一族とは対照的であった。産屋敷家は、男児の夭折を防ぐために、代々神職の家から妻を娶るという機序不明瞭な方法を選んでいる。 　見えぬものなど笑止、見えるものこそをしたたかに掴みに行く強さと臆病さ。見えぬものの繋がりを千年信じ抜く強さと愚かさ。一概に比べられるものではなかった。
October 22, 2025 at 9:14 AM
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フォロワーさんのご感想嬉しい　これね、武人だから怪我に解像度高いだけで、女人に思いやりがあるとかじゃないんですよね🎶（しかし、知見に基づく行動はしばしば情愛を凌駕してケアとして働く──）
ブルースカイのフォロワーさんの投稿のスクショ 旧ツイッタでさんざんみたようなダメダメ父と 会陰の裂ける出産のどこが安産だと思う真っ当さ(これも無知=ダメゆえかも知らん)が矛盾なく同居する 継国巌勝である
October 21, 2025 at 11:09 AM
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継国巌勝本　進捗2
メモ帳スクショ 『鬼滅の刃』において黒死牟の初登場シーンは単行本12巻98話で、上弦の弐・童磨と参・猗窩座の小競り合いを、序列の乱れに繋がるとして諌める姿が描かれる。のちに鬼舞辻無惨に次ぐ強敵トップ三として鬼殺隊を苦しめる上弦の壱・弐・参が一堂に会するのはこの場面が初めてで、短いやり取りながらそれぞれの個性が表現されていて興味深い。黒死牟は「序列の乱れ……ひいては従属関係に皹《ヒビ》が入ることを憂いているのだ…」（p.31）と重々しく告げ、上の立場の者たる威厳を発揮する。上弦の弐・童磨もまた幼少期から新興宗教の教祖として崇められてきた身であり、人の上に立つことに慣れているが、信者をケアする役割を担ってきたので態度は柔らかい。「上に立つ者は下の者にそう目くじら立てずゆとりを持って」（p.32）と、威厳よりも寛容を示す。そして上弦の参・猗窩座は、江戸時代の町人の貧困家庭出身であり、立場も礼節も知ったことではない。丁寧語も使わず、参の立場から弐の童磨を殴りつけ、壱の黒死牟には「俺は必ずお前を殺す」（p.34）と吐き捨てる。黒死牟は、童磨への態度は諌めるが、自分への態度には寛容で、「そうか…励む…ことだ…」（p.34）と期待を込めた言葉をかける。ここは無礼 云々より、威勢のいい若い強者に挑まれる剣士としての喜びが勝つ。黒死牟はやはりどこまでも剣士なのだ。 　なお、この黒死牟初登場シーンでの黒死牟の初台詞は「私は…ここにいる……」である（p.17）。I am here. 、これは、最もシンプルな存在意義《レゾンデートル》の名乗りとも捉えられる。思えば継国巌勝は、四百年余の人生を存在証明にかけてきたのであった。人間はアイデンティティの束である。望ましくないアイデンティティを返上し、望ましいアイデンティティを獲得しようとする普遍的な人間心理を存在証明といい、社会学者の石川准は "proving self-worth" と英訳した（※註1）。自己価値を証明する、と直訳すれば、その重みがわかる。継国巌勝は、弟に剣才劣ったことで、この国一番の侍という憧れのアイデンティティへの道を齢七歳にしてくじかれた。そこから紆余曲折の四百年余が始まるわけである。巌勝はその後、「継国家当主」「妻の夫」「二児の父」からの「鬼狩りの月柱様」などのアイデンティティを（決して楽々とで はなく、それなりの努力を積み重ねて）獲得する。戦国の武家当主は下剋上にてそのポジションを狙われるくらいには価値あるアイデンティティであるし、妻子からもそれなりに慕われていたことは原作から推測できる。鬼殺隊の月柱もまた、非常に誉れ高いアイデンティティである。それでも巌勝は満足することができなかった。剣技において縁壱を超えられていないからである。縁壱を超えなければ、この国一番の侍にはなれないからである。 　ここでもやはり、第二章でも触れた疑問に立ち返らざるを得ない。継国巌勝が、この国一番の侍というアイデンティティただ一つに最期の最期まで執着したのは、そもそも彼の自由意志だったのかという疑問である。武家の男性の存在価値とタフネスが不可分に結びついていた戦国時代に、武家の嫡男という立場で弟の後塵を拝したことで、こじらせてしまっただけではないかと。この疑問には、巌勝自身を含め、もはや誰も答えられないだろう。本書の20万文字はすべて、この答えられぬ問いに現時点での答えを出すために捧げられている。
October 12, 2025 at 9:46 AM
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継国巌勝本　進捗
メモ帳スクショ 『ナラティヴの被害学』においてナラティヴという言葉は、「ある出来事に与えられる、『このような原因や動機や順序にしたがって、このような一連の出来事が起こりました』という説明」（p.10）であると意味づけられている。継国巌勝を語るにあって、ヴィランだけど哀しい過去を持つ被害者だった、というナラティヴではまったく足りないのは無論である。しかし、時代柄や男性性の規範の被害者でもあり大量殺人の加害者でもある二面性を持っていた、というナラティヴもまた、一個目のナラティヴよりははるかにましだが、まだ足りないとわたしは思う。継国巌勝の加害と被害は、なんらかの形で美しく統合されなければならないのである。まずはミクロに彼の加害を書き尽くし問い尽くし、被害を書き尽くし問い尽くし、そして加害と被害の二分を急かしてくるマクロの構造こそを書き尽くし問い尽くした最涯ての場所で、わたしは継国巌勝というキャラクターを再度等身大として顕現せしめなければならない。食事のためだけに留まらず殺生のための殺生をも繰り返していたことは、上弦の壱の鬼・黒死牟を考える上で外せない要素である。全生涯を剣に捧げた剣鬼の悦びも哀しみも、罪の中にこそある。 　縁壱は七歳まで口を利かず、聾であると思われていたが、初めて口を開くなり流暢に喋った。刀を初めて握った日には巌勝をはるかに凌駕する剣才を発揮した。長じても基本的には無口無表情、しかし素朴な性格で、妻やのちに出会う竈門家の人々に親しまれた。コミュニケーション能力には乏しいが、一つの物事に圧倒的な才能を持つ純真無垢な青年の姿には、フィクションでしばしば（都合よく）利用されるサヴァン症候群的キャラクターの系譜をみることができる。圧倒的天才だが社会的能力にはやや欠ける彼らには、パートナーの支えが必要である。サヴァン症候群の人物を描いた最も有名なフィクションの一つが映画『レインマン』であるが、『レインマン』のダスティン・ホフマンには、弟トム・クルーズが寄り添い世話を焼いた。継国巌勝もまた、ある面では天才児をケアする兄弟だった。しかし巌勝はトム・クルーズとは違って兄（しかもただの兄ではない、戦国の武家の嫡男）であったこと、弟の才能を知らずに世話していたこと、弟が持つ能力と同じものを欲しがっていたことなどが、事態を複雑にしたのである。 　加えて、巌勝のケアは、ヤングケアラー的立場からのケアであったことも重要である。ヤングケアラーと 　なお、この黒死牟初登場シーンでの黒死牟の初台詞は「私は…ここにいる……」である（p.17）。I am here. 、これは、最もシンプルな存在意義《レゾンデートル》の名乗りとも捉えられる。思えば継国巌勝は、四百年余の人生を存在証明にかけてきたのであった。人間はアイデンティティの束である。望ましくないアイデンティティを返上し、望ましいアイデンティティを獲得しようとする普遍的な人間心理を存在証明といい、社会学者の石川准は "proving self-worth" と英訳した（※註1）。自己価値を証明する、と直訳すれば、その重みがわかる。継国巌勝は、弟に剣才劣ったことで、この国一番の侍という憧れのアイデンティティへの道を齢七歳にしてくじかれた。そこから紆余曲折の四百年余が始まるわけである。巌勝はその後、「継国家当主」「妻の夫」「二児の父」からの「鬼狩りの月柱様」などのアイデンティティを（決して楽々とではなく、それなりの努力を積み重ねて）獲得する。戦国の武家当主は下剋上にてそのポジションを狙われるくらいには価値あるアイデンティティであるし、妻子からもそれなりに慕われていたことは原作から推測できる。鬼殺隊の月柱もまた、非常に誉れ高いアイデンティティである。それでも巌勝は満足することができなかった。剣技において縁壱を超えられていないからである。縁壱を超えなければ、この国一番の侍にはなれないからである。 　この報を受けた黒死牟の心痛は察するに余りある。なにせ、縁壱の剣技を超えるために人道を捨ててまで鍛錬の時間を確保し、一番強い鬼の下に就いたのに、寝返って早々、その一番強い鬼が当の縁壱に完膚なきまでに敗北したのだから。ここで無惨が死んだら、黒死牟は本当になにもかも失ってしまうのである。絶対に死なせるまいと、全身全霊で献身的に介護したに違いないのである。 　第三章で述べたように、五、六歳の巌勝は弟縁壱を、ヤングケアラー的な立場からケアした。そして今回、鬼になりたての不安定な心身で、主人かつ血を分けた親的存在でもある無惨をケアした。結果的に継国巌勝は、史上最強の正義の剣士・継国縁壱を育児し、史上最強の悪の鬼・鬼舞辻無惨を介護しおおせた。 　縁壱なくしては、日の呼吸術はなく、竈門炭治郎が日の呼吸由来の「ヒノカミ神楽」に覚醒しラスボスを倒す力に目覚めることはない。 　無惨なくしては、そもそも物語は大正時代まで進まない。 　継国巌勝の二つのケアワークは二つながら、『鬼滅の刃』の最重要骨子を成している。巌勝は、主人公・竈門炭治郎に匹敵する、「ケアする長男」だったのだ。
October 10, 2025 at 11:01 AM
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継国巌勝は、最強の正義の剣士の育児と、最強のラスボスの介護の両方を成し遂げた、主人公・竈門炭治郎に匹敵する「ケアする長男」だった。巌勝の献身が彼個人の幸せにどう働いたか／働かなかったか、ひいては抑圧的な体制をどう打破したか／どう温存強化したかを考える必要がある。
鬼舞辻無惨のネオリベラリズムと、継国巌勝／黒死牟が成し遂げた表面上いっそフェミニズム的な達成の相互のもつれあい（ルビ：エンタングルメント）を辿らねばならない。始祖の鬼の1000年の生涯は一貫して、病者（原義通りの病と、太陽に当たれないという病）という望まぬアイデンティティを返上するための私的な努力に捧げられた。
書籍　ネオリベラル・フェミニズムの誕生
October 3, 2025 at 7:48 AM
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帰省してた先生が帰ってきてご機嫌
キジ白猫 キジ白猫
September 30, 2025 at 9:53 AM