冬─ヒルデガルトは祝賀会にて深酒をし、いつものように景気良く粗相をする。雪に覆われた白いキャンバスに、好きな色の絵の具を塗りつけたかのようだ。

春─ヒルデガルトは両手に麦を掬い取って空を仰ぎ、豊作を願う祈祷文を唱えて地面へと撒く。その姿は可愛らしい赤子を揺りかごに横たえ、子守唄を聞かせるかのようだ。

夏─茶色かった地面に青々とした麦が立ち並ぶ。各々の麦は母であるヒルデガルトを慕うかのように高く伸びている。彼女は「こどもたち」を優しく撫でて笑う。

秋─収穫期を迎えた麦は母たるヒルデガルトの髪とお揃いの色になり、各々は育ての親へ敬愛の意を示すかのように稲穂を垂れる。今年も豊作だと彼女は笑う。

アズリウスの浅瀬のリズムは、こちらに微笑みかけてくれる可愛らしい仕草が導入されている。
普段はどこか無機質な表情を見せることの多い彼女が、年相応の女の子として振る舞う貴重な瞬間だ。